保健室で出会ったこころにズシンときた言葉

ここでは、子どもが保健室に残していった言葉から、わたしが研修会で学んだことや児童心理の雑誌などを参考にしながら、保護者の方と一緒に“子供の今”を考えていきたいと思いページを作りました。
夏の研修会の折り、真生会富山病院心療内科の明橋大二先生の講演「学校で子どもの心を支えるために〜自己肯定感をはぐくむかかわりを考える〜」がとても心に残ったので、ここに紹介します。
子どもについて「順番を守れない」「ごめんなさいって言えない」「なかなか落ち着いて勉強できない」などと、よく相談を受ける。でも、「自己評価(自己肯定感)」が安定しない限り、「しつけや生活習慣」ましてや「勉強」なんてできっこない。人間の心と体発達の土台である「自己評価(自己肯定感)」は、今まではあるのが当たり前だと考えられてきた。でも、現在は、育まれていない、それどころか傷ついていることが多い。

自己肯定感が低い子は、どんなサインを出すか。「自分が嫌い」と言葉で表現できるとは限らない。私が出会った子のほとんどが、必ず「どうせ…」と言う。これも、一つのサインだ。その他に、拒食症などの摂食障害やいじめる、非行犯罪といった様々な症状でサインを出す。私たち大人がそのサインに気づき、もう一度自己肯定感を育て直してあげることが大切である。

次にどうして自己肯定感が低くなるのか。一つは、「虐待」。虐待は、一生、心の傷として子どもを苦しめることになる。診察を進めていくうちに、子どもではなくその親が虐待を受けて苦しめられてきた事実が浮き彫りにされることも珍しくない。もう一つは、「いじめ」。いじめられている子どもに「もっと強くなりなさい」「言い返しなさい」と大人はつい言ってしまう。いじめられている子どもは、「自分が言い返せないから、強くないからだめなんだ。」というふうに自分を責めるようになる。もっと強くなることも、言い返したほうがいいことも、子どもは言われなくてももう十分分かっている。心が傷つき、自分に自信がない子どもに、しかっても何も効果がない。しかるのをやめて、あなたを大切に思っている人がいることを伝えてあげてほしい。
明橋先生は、「今の子どもたちをめぐる問題の根っこは、自己評価(自己肯定感)の極端な低さからきている。子どもにとって一番大切なのは、自己肯定感である」と熱く語られました。たくさんの事例を診てこられた先生のお話は、「自分のことが好きな子どもを育てる」ことを学校全体として取り組んでいる本校にとっては、確信を得る心強い内容でした。今回、最後までお伝えすることができなかったので、次回の保健だよりで「子どもの自己肯定感をはぐくむためはどうすればよいのか」を引き続きお知らせしたいと思います。