保健室で出会ったこころにズシンときた言葉
「いやなことをされている人の気持ちが痛いほど分かる。でも、今度は自分がされるのではないかと思って怖くて、やめるように言えないとき」

本校では、各学期ごとに「教えてね 聞かせてね」という実態調査を行っている。この言葉は、「自分のことが嫌いだと思うとき」の理由として5年生のA君が書いてくれた

 ここでは、子どもが保健室に残していった言葉から、研修会で学んだことや児童心理の雑誌などを参考にしながら、保護者の方と一緒に“子どもの今”を考えていきたいと思いページを作りました。

『他人の心が分かる』

 “心豊かな子ども”という言葉を一度は聞かれたことがあると思います。前筑波学院大学学長の門脇厚司氏は、心豊かな子どもとは、「相手の身になって、あるいは相手の立場になって、物事を考えることができる子、他人の心が分かる子どものこと」と述べておられます。相手のことを考えながら、様々な相手とのやりとりを自分の頭の中で、自分がこう言ったら、相手はこう答えるだろう、自分がこんなことをしたら、相手はこんなふうに応じてくれるだろうと具体的に思い描くことができる、そんなことが『他人の心が分かる』ということになるのではないかと思います。他人の心が分かるようになるためには、様々な他人とかかわりを積み重ねていく以外にないと言われています。
 子どもたちとのかかわりから、いろいろなことでの成功や失敗の体験が少ないように感じます。特に、成功体験は、子どもたちが積極的に自信をもって、他人とかかわっていくときにとても重要な要素となります。例えば、けんかをしたら、どのように謝れば、相手が心地よく許してくれるか、どのように話せば人を傷つけたりしないかなど。また、けんかの成功体験をもつためには、けんかを何度も何度も体験しないといけません。そのときに、必ず成功体験を手に入れるという保障もありません。でも、失敗体験も成功体験も必ず、子どもが自分で生きていくための手立てとなることは確かであると思っています。それは、自分の力で体験し獲得したからです。一生懸命、今を生きている子どもたち。保健室では、一歩ずつ自分の足で前進できるよう、応援していきたいと思っています。