これまで、さまざまな日本のよさにふれてきたわたしたちは、日本らしさとは何かを考えることにしました。

 
 「和紙と洋紙を比べてみると」の学習や、水墨美術館、四大浮世絵師展の鑑賞を通して、わたしたちは、日本の文化には、さまざまなよさがあることを知りました。

 また、埋蔵文化財センターでの校外学習や、日々の学習の中で、わたしたちの現代の生活が、過去の人々の生活の上に成り立っていることを学んできました。わたしたちのくらしは、過去の歴史と強いつながりがあるとわかったのです。

 これらの文化、歴史や、それを基にしたくらしを、わたしたちはなんとなく日本らしいと感じ「和風」と呼んでいます。ところが、「では、どういうところが『日本らしい』の」と問いかけられたとき、わたしたちは、返事に詰まってしまいました。

 
日本らしいというのは、感じることができるけれど、どんなところに日本らしさを感じるのか?
 日本らしいというのは、本当はどういうことなのか?


そこを考えることから、わたしたちの追究は始まったのです。
最初に、日本らしいと感じるのはどういうことなのかを話し合ってみました。
わたしたちが考えた「日本らしさ」は、次のようなものでした。
 
昔の文化
  • 浮世絵、歌舞伎、民謡などの芸能
  • 短歌、和歌、習字
  • 将棋、百人一首などのゲーム
  • 城などの建物
  • 相撲、柔道、剣道などの日本だけのスポーツ
くらし
  • 家の造り(たたみ、障子など)
  • 日本語(地方の特色のある方言)
  • 日本食(白ごはん、味噌汁)
  • 米作り
 食べ物が豊富でおいしいことや地方によって名産があることも話題になりました。
 また、現在では、食は輸入にたよっているから、日本らしいとはいえないのではないかという意見もありました。
自然
  • 緑が多い
  • 花が多い
  • 観光名所がある(富士山、世界遺産)
現代のくらし
  • テロのない国である
  • 外国から入ったものを日本風にアレンジしている
  • 他の技術を得て、生かしている
    (車、テレビ、パソコン、プロジェクタ、携帯電話)
  
 これらのことから、「日本らしさ」というのは、世界に知られていること、奥深くて今でも大切にされていることの中にあるのではないかと考え始めました。

 この話し合いをきっかけに、わたしたちは、一人一人が感じる日本らしさについて、追究を進めることにしました。
 みんなは、それぞれの方法で、自分の課題を追究していきました。
 中間発表では次のような話し合いがありました。

 わたしたちは、これまで、自分の見つけた日本らしさをそれぞれに追究してきました。この日は、互いの見つけた日本観を語り合って、おたがいの考えをわかりあったり、自分の追究テーマを見直したりする時間でした。

 今日の話し合いで「日本らしさ」の根拠としてあがった視点は、次の3点でした。


(1)日本独特である

  • 日本の城・・・その構造や真っ黒な瓦屋根は、他国の城にはない。
  • 富士山・・・その風景が日本独特。青と白という色合いも日本らしい。
        →赤と白も日本の色だ。
  • 祭・・・リオのカーニバルと比べると、衣装がシンプルだが、そこが日本らしい
        →御輿を担ぐところは賑やかで派手なのではないか
        →着るものはシンプルでも、演出が派手なところは似ている。
        →派手なところもあるが、その中に、日本らしい落ち着きがある。
  • 方言・・・地方ごとに、独特の温かな言葉がある。日本人は故郷を大切にしていて、そこが日本らしい。     
     

(2)歴史をつないでいる

  • 日本の城・・・織田、豊臣、徳川の時代から、今につながっている。文化遺産に指定されていて、今でも大切にしている。
  • スポーツ・・・すもうは、飛鳥時代から現代まで続いている。
  • 遊び・・・剣玉はかつて鹿の角で作られていた。昔からあって、現代にも続いている。75年間に流行したことがあった。

(3)外国から入ったものを日本流にアレンジしている

  • 行事・・・正月、七夕、月見、花見。中国から入ったものだが、もはや日本人のものになっている。
        →でも、あんまりしない。正月といっても、おせちとお年玉ぐらい。
  • 技術・・・パソコン、テレビは、世界に輸出している。よりよいものにしたり、使いやすくしたりするところが日本らしい。

 ここに書いた意見はほんの一部です。他にもさまざまな視点から、日本らしさを感じ取っていることを分かり合うことができました。

 今日の話し合いを通して、次のようなことに気付きました。
  1. 自分たちは「日本らしさ」に囲まれてくらしていること
  2. 外国や歴史とのつながりから比べて考えるとよいこと
  3. 伝統的なモノばかりではなく現代の中にも日本らしさが含まれていること

 わたしたちが「日本らしさ」として取り上げたものの中には、わたしたちのくらしから消え去ろうとしているものもあります。

 また、富士山も日本を代表するものですが、自分たちの住む富山にも日本アルプスという、世界に誇れる自然があります。

 身の回りの生活を重ねて考えていくことができて、初めて、「自分の住む日本はこんな国だ」と語れるのではないかと考えを新たにした時間でもありました。